第596日 2024/6/4

石勝線5日目 占冠→新夕張(営業距離34.3km、徒歩距離54.5km) 給水量:1.0L


石勝線4日目                     石勝線6日目



<前日移動日> 文字ばっかり続きますがご容赦を。

前日移動で北海道入り。
今回はいよいよJR在来線の駅間最長区間、占冠駅新夕張駅間を歩く。

この時期にしたのはもちろん日が長いからだ。
この時期は日の出が4時前、日の入りは19時過ぎと、15時間の歩く時間が確保できる。

今回の区間は53kmなので、時速3.5kmが出れば15時間の時間内で歩ける計算だ。

日のあるうちに歩ききりたいのは熊と出会う危険性を減らしたいため。

熊の居る地域を歩くため、暗くなってからの歩きはとても危険だ。

また、天気も重要。
天気の良い1日を選択できるように、全部で3日間歩くことのできる日程を組んだ。

今回は宿から駅まで距離があること、朝早く出発しなければならないことから、レンタカーを借りる。
レンタカーは前後の移動日を含め5日間借りることになるため、保険を含め27000円とかなりの出費は痛い。


新千歳空港へ到着した。
レンタカー屋さんへバス移動して車を借り、宿へと向かう。

ところで、今回の区間を万が一歩けなかったことを考え、プランBを用意。

プランBは、歩き始めから38km先にある穂別キャンプ場で泊まり、次の日に新夕張駅までの残り15kmを歩くプランだ。
これにより、脚の不調などの場合でも暗くなってから歩く必要がなくなる。
ただプランBのため、シュラフや着替え、食料などを余分に持って歩くこととなり、歩きの荷物が増えた。


さて、レンタカー屋さんで車を借りたのは14時頃。
このまま宿へ移動しても良いが、可能なら歩くコースの下見と穂別キャンプ場で飛び込みでの予約が可能かどうかを確かめたい。

ということで、高速を夕張ICで降りて、穂別キャンプ場へ向かう。

キャンプ場に到着。

早速飛び込みは可能かどうかを聞くと17時までに受け付けすれば大丈夫とのこと。
よし、これでプランBは可能となった。

さらにいろいろな話をする。
熊や道の状況とか。

この辺りは国道でも熊を見掛けるとのこと。
また朝晩だけでなく昼も出ると、思ったより危険という印象だ。

すると熊撃退スプレーの話題になり、ひとつあるから貸してあげる。と。

熊撃退スプレーは飛行機では運べないため購入まで至らず持参していないが、まさかのレンタル。
それも無料!

これで万が一の際の武器が出来た!
有りがたくお借りします!

明日ここを通る際にお返しすることを約束してキャンプ場を後にした。


そのまま明日歩く道を車で走る。

結構長い上り坂や下り坂がある。
これは距離以上に大変そうな道だ。


占冠駅に到着。

車を止める場所を確認。

これで明日の下見は終了!

できる限りの準備をして明日に臨む。

いや、天気によっては明後日以降に歩くこととなる。
天気はギリギリまで見極めたい。


<当日> ここからはいつもの沿線旅日記の形式となります。

占冠?days初日。
いよいよ難関区間、53kmの長距離に挑戦だ。
(この時はまだ今回の旅で何日間歩くか不明だったため「?days」となっている)

結局下見の次の日が、雲優勢で一時雨もあり得るが降らない可能性が高いという予報。
この日に歩くことに決めた。


昨日穂別キャンプ場の方からお借りした熊撃退スプレーを装備!
準備は万端だ。

宿を4時15分に出た。
外は既に明るくなっていて、ちょっと出遅れたか?


車を占冠駅前のスペースに止める。


今日の目標は53km先の新夕張駅。
占冠へ戻る列車は1945発だが、もっと前、十分明るい時間帯の1845を目標とする。
なお上記がプランAだとすると、念のためのプランBは38km先の穂別キャンプ場に泊まる案だ。
これは脚の調子が悪かったり、新夕張駅に間に合いそうに無いとなった時の策となる。

もちろんまずはプランAを目指して歩く。


今日歩く道は昨日反対向きに車で走っていて、だいたいの道の雰囲気は掴めている(あくまでも車からの感覚だが)。


○0410 占冠(しむかっぷ)駅










天気は曇り。
風があって冷たい。。。。
気温は9度だ。
今日は上下1枚ずつの重ね着だ。

アームカバーも冬用とした。




この時間はもう十分明るい。




今日の工事柵はカエルさん。


鵡川を越えて町の中心部に入ってきた。


-0431 右折



歩き始めから約1.7km。
信号交差点を右折。
道道136号線に入る。

ここからはより熊に気をつける必要がありそうな道だ。


-0447 歩道無くなる



道道に入って、少なかった交通量がぱったり無くなった。




轟音が近付いて来ると思ったら貨物列車が通過。
線路の近くを歩いていたんだ。


-0457 一軒橋ゲート



そうそう、北海道と言えばこのゲートだ。


-0503 道東道高架



人工的な音がするとほっとする。
普段は高速道路にはそんな感想は抱かないが、ちょっと心細い今日はそう思う。
なんとも身勝手。


歩き始めてからちょうど5kmの地点でトンネルだ。


-0519 赤岩トンネル(2114m)





え?2キロもあるんだ。
車で通った時はそんなにあるとは感じていなかった。




車が全然来ないので、幅1m弱の歩道ではなく車道を堂々と?歩く。


トンネルのちょうど半分辺りで、この道道で初めての車とすれ違う。


-0547 トンネル出口



水の音が大きくなって来て、トンネルを抜けた。


-0550 三叉路



トンネルを抜けて橋を渡ってすぐに三叉路がある。
地図アプリは右折のコースを示しているが、その先は通行止めということを確認している。

ここは真っ直ぐ進む。


この先は約4kmの上りとなる。

ゆっくり目に確実に歩きたい。




あれ?
道道は136号線から610号線に変わっている。

さっきの三叉路からかなぁ。


-0609 国道まで3km地点



ここまでのところ、だいたい想定どおりのペースだ。


-0622 国道まで2km地点



先の方の山が霞んでいる。
まさかあっちの方降ってないよな。。、。
って考えてたら!
こっちが降ってきた!


おいおい、聞いてないよ、こんな早い時間から降るとは。

急いでザックカバーをつけ傘を差し、雨装備へ。


雨で傘を差すためストックは1本となってしまったがそんなにキツイ坂もなく、国道合流地点が見えてきた。


-0647 国道合流



ここまで平均時速は4.2km。
ちょっと早いかな?

雨がほぼ止んだので傘を片付ける。


ここから穂高トンネル入口までで130m高度を稼ぐ。




まあ、なんて局地的な雨でしょう。。。苦笑


左側の茂み、鹿でも居そうだなと思った瞬間、一頭の鹿が跳ねていった!


-0721 登坂車線終了



標高は513m。

次のトンネルまでまだ40m程の上りがあるようだ。


少し雨がぱらつく。


-0739 穂高トンネル(1991m)



ここまで15km弱。
平均時速は4.2kmと変わらず。
上り坂が想定よりもキツくなくペースが上がっている。
少し落とさないと、最後まで持たないかも知れない。
ちなみに標高は546mだ。




歩道幅は1m弱。
走る車のスピードが早いので結構恐怖感はある。


-0807 トンネル出口



この地点で標高は559m。
今回のコースの最高地点だ。




立派な上部構造の橋の向こうに次のトンネルが見える。


-0814 福山トンネル(838m)



トンネルの中は緩やかな下りだ。

歩道は幅1m弱。




あれ?このトンネル、1km以上あるぞ!

今日は長いトンネルが多い。




長い1本のトンネルではなく、2本のトンネルがスノーシェードで繋がっていたのか。
それでさっきの非常口(このトンネルの場合は両端のトンネル出口)までの距離合計が1800mとなっていたようだ。

ということで、ここからは「モトツトンネル(924m)」となる。


-0839 トンネル出口



合わせて1800mの二つのトンネルを通過。


-0846 むかわ町






ここからは約5kmで標高を300m下げていく。




おっ、これは今日のくねくねでは?
(→これはなかなか綺麗なクネクネですね。北海道らしい路肩表示矢印も良い味があります。認定!)


-0857 日差し



日が差してきた。
果たしてこれで今日はもう、雨から逃れられるのか?




下り坂は続く。




空は完全に晴れてきた。


-1006 三叉路



右から合流するのが地図アプリの指定した(6時前に通過した三叉路から繋がっている)道だ。
地滑りのため全面通行止とのこと。


ここからは3kmで170mの上りだ。




早速上り坂が現れた。


-1013 小休止



上り始めてすぐに木陰のスペースがあった。
朝ごはんが早くお腹がすいていたので、ここで早めのお昼ごはんだ。

ここまでの平均速度は4.1km。
なかなか良いペースが続いている。


-1035 再スタート



今日のお昼ごはんタイムは短め。
早めの再スタートだが、平均速度は3.9kmに落ちた。


パトカーが横に止まりお巡りさんが「熊の情報があるので気を付けてくださいね」と。
ありがとうございます!気をつけます。




空はまた雲が優勢となってきた。
が、全面雲で覆われたわけではないので、すぐに雨が降ることはないだろう。


-1118 稲里トンネル(1441m)



このトンネルも左右に1m弱の歩道がある。
この辺りのトンネルは皆この歩道なのだろうか?


トンネルの中は下り坂だ。
1441mで45m下りる。


-1139 トンネル出口

ここからは穂別大橋まで、標高をさらに130m下げていく。




ひたすら道を下っていく。


-1221 穂別大橋







雲が増えてきた。


-1231 長和トンネル(281m)





短いトンネルだが、歩道は今までで一番広い約1.5mだ。


このトンネルはダムが完成したために沈んだ道を付け替えた際に、穂別大橋と同時期に出来たのだろう。
出来た年は昭和57年だが、真実はどうだろうか?


5分かからずトンネルを抜けた。




穂別ダムの横を抜ける。




トンネルの歩道は無くならず、そのまま続いている。


-1302 稲里集落



今日初めてかな?
田んぼが広がっている。
稲里の集落に着いたようだ。


この辺りが標高133m。
ここから最後の峠の350mまで高度を稼ぎ、その後新夕張駅辺りの140mまで下る。

残り約17kmだ。


-1313 信号交差点



今日36km歩いて初めて信号に捕まる(笑)


-1316 温泉施設



ここから穂別キャンプ場までは約2kmだ。




おっ、これは今日のくねくねじゃないですか?
(→これは。。。。そこまで特長があるとはいえないので却下!)


-1350 穂別キャンプ場



昨日お会いしたおじさんが缶コーヒーを持って出迎えてくれた。
昨日初めて会った方々なのに、親戚の家に来た気分で何か嬉しい。



ここで昨日お借りした熊撃退スプレーを返却。
東京で買ったお土産をお礼にお渡しした。

少しだけお話して先へ進む。
本当はもっとお話していたかったが、先はまだ長いので残念だがお別れだ。


-1413 再スタート



-1417 歩道無くなる




-1454 43km地点



42kmから43kmまでの1kmが12分台。
さすがに緩やかな上りのここで12分台は早すぎる。
ペースを落とそう。


-1506 桂木橋



峠までは残り標高差100mだ。
ここから1kmで上りきる。


坂が急になったのとペースを意識的に落としたことにより、44kmまでの1kmは20分台と一気にペースが落ちた。


-1538 峠



ようやく峠に到着。
これで今日の峠は終わりだ。

今日初めて汗かいた。
ところでさっきの1kmで100m上がるはウソでした(笑)
なかなか着かないと思ったら、実際は倍の2kmありました。


-1539 夕張市



峠を越えて夕張市入り。


ここでおやつの非常食を1本食べる。


-1547 再スタート



-1554 登川トンネル(348m)





歩道の幅が60cm位で、今までで最も狭い。
そのせいで最も怖い思いをした。

確かにこんな所を人が歩いているとは思わないかもしれないが、スピードダウンするか、少し離れてくださいな。。。。



トンネルを通り抜けた。




右下を3頭の鹿が逃げていく。




ひたすら下り坂が続く。


-1630 歩道



おっ、歩道だ!


-1633 石勝線高架




-1641 スノーシェード



左側に石勝線のスノーシェードがあった。


-1653 50km地点

残り4kmだ。
18時前には着けそうだ。


-1657 道東自動車道高架






この橋には「夕張みらい橋」という名前が付いているようだ。





先の高架を列車が走っていった。


-1659 石勝線高架




-1706 道東自動車道高架





今度は「夕張きぼう橋」でした。


-1723 道東自動車道





この橋は「夕張のぞみ橋」だ。
ここまで歩いている道は上り坂だったため、相対的に橋はだいぶ低くなった。


-1726 72kmポスト



この時間になって向かい風がだいぶ肌寒く感じられるようになってきた。

ただあと2kmと駅まで近いのでここでは上着を着ず、このまま進もう。


-1741 道の駅1km



駅までも同じ1kmだ。


-1748 セイコーマート



明日の食事と今日の晩御飯を買っていこう。


-1754 再スタート



遂に昔から使っている方の時計の電池が切れた。。。。

今回の長距離歩きに備えて購入した新しいガーミンの方はまだ大丈夫。


-1759 紅葉山交差点



右折。


○1804 新夕張(しんゆうばり)駅 -77146歩-







ゴール!
54.5kmを完歩だ。
石勝線の難区間をクリア!

列車まで時間があるので、待合室でセイコーマートで購入した夕食用の弁当を食べていこう。


□□□
気合いを入れて臨んだ占冠新夕張間の沿線旅。
過去に経験の無い長距離だったが、朝早いスタートと早めのペース、これまでのトレーニングがてらの沿線旅が功を奏し、無事ゴールすることが出来た。
熊の警戒や雨への対応など歩くだけでなく考えることも多かったが、うまく対応が出来たと考えている。
今回の旅では穂別キャンプ場の皆様との出会いもあり、とても良い旅となった。
明日以降は天気と脚の状態に応じて歩くかどうか考えることにしよう。



<今回のルート>





石勝線4日目                     石勝線6日目